JR可部線乗車記その2  ▲戻る


 「けん」さんは、2001年1月下旬に、JR可部線に乗って温井ダムへ行ってきました。可部線は存続の判断をするために増便されていますが、冬になり、乗客が大幅にへっていると報道されていました。ところが、どっこい、この日は温井(ぬくい)ダムが最高水位に達した記念もかねて、最上部のゲートから試験放流すると報道されていたためか、広島駅を出発する段階で、座席がかなり埋まり、可部駅あたりになると立っている人もいるくらいの混雑です。やはり、それなりのイベントがあれば、可部線を利用するお客さんは、JRさんが考えているよりかなりいると感じました。

 温井ダムに最も近い加計(かけ)駅へ行くまで、乗客どうしでいろいろな話が盛り上がっています。もちろん、温井ダムの放流の話題・・放流したら太田川の水位が15cm上がるとか、いや50cm上がるとか・・ゲートが閉まらなくなったらどうするのかなあといった話題・・も多かったのですが、やはり可部線はどうなるのかという話題が多いです。これだけ乗っているなら存続だろうという方もいましたが、報道を知っている方が多いこともあり、やはり存続は難しいのではという話が多かったです。
 加計駅を降りると、温井ダムまでの無料シャトルバスが運行されていて(※注・無料シャトルバスは試験放流の日だけのようです)、かんたんにダムへ行くことができました。日本最大の黒部ダムへ行くには、けっこうたいへんらしいのですが、アーチ式ダムでは日本で第二位の温井ダムへは加計駅から15分くらいです・・交通の便がよくて、しかも黒部ダムに次ぐ規模のダムなのですから、観光地として有効に利用してほしいものです。
 温井ダムの記念放流を見たあとは、加計の町に戻って、昼食をとろうと思いました・・が、ほとんどのお店は閉まっていました。8千人集まるイベントがあったというのに・・・ちょっとちぐはぐですね・・・観光客からかなり不満の声がありました。

 その後、山で出会った方と、雪景色の三段峡へ行ってみようという話になり、可部線に乗って、三段峡へ向かいました。列車が三段峡駅前のトンネルを出たら、大雪でした・・視界100mもない感じ・・・三段峡の駅には、カメラを構えて列車や雪景色を写している人がかなりいました。けんは渓谷の中へは危ないので入らなかったけど、入り口から少し入って写真を写しました。
 そして、広島へ帰るときには、三段峡駅ですでに席が埋まりました。えっ、こんなに三段峡に人が来ていたのかと意外に思いました・・冬は観光客は少ないと聞いていたので・・そして、加計の駅で乗り換え、温井ダムから帰る人もかなりいて、なんと通学・通勤ラッシュ並の混雑に!!・・乗客が少ないなんて本当なのか・・なんて言っている方も・・これじゃ廃止は無理よ・・と言う方も・・JRの職員の方も、人数のカウントがたいへんみたいでした。しかしながら、混雑しているのは温井ダムのイベントの影響で、平日は閑散としているのが現実です。

 

 しかし、この日の状況を見て、それなりのイベントを行うとか、観光地の間を無料バスで結ぶなどといった工夫をすれば、観光客を集めることは十分可能だと思いました。存続の判断にあたって、今、乗客が少ないから・・といったことで判断するのではなく、そういった可能性も含めて考えてほしいと思います。


温井ダムへ行く観光客で混雑する加計駅

加計駅

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