JR可部線乗車記その4  ▲戻る


 「けん」さんは、2月初めに、またもや、可部線で三段峡へ向かいました。乗客は、報道のとおり少なかったです。三段峡へ向かう車中で、沿線の筒賀に住んでいる方と話していたのですが、車に乗れない高齢者にとって、鉄道がなくなるのは困る、バスでは時間通りに運転できないし・・と話していました・・特に、可部線沿線は冬は雪が降るし、広島から来る車の中には雪の対策をしないままの車もあり、しばしば道路は渋滞します。さらに、バス停は、道路の端っこだから、あまり長時間待つのはやっていられない・・そんな話もあった。

 話によると、乗客が急に減ったのは高速道路(中国自動車道)が開通してからだという。この話を聞いて、日本の交通政策が今のままでいいのか考えさせられました。広島にいるとあまり感じないのですが、実は中国地方というのは、人口の割には高速道路が密集しています。中国自動車道と山陽自動車道が、まったく同じ方向に走っています。他の地域ではこういうことはあまりありません・・それに、後から開通した山陽自動車道の方が便利だから、山の中を走る中国自動車道は、通行車両は減っているといいます。
 他の地域でも、次々高速道路が造られていますが、第二東名高速のように同じ方向に走る道路を増設するということもされています。一方で道路公団は大赤字だといいます・・
 「けん」の個人的な考えですが、鉄道、道路、空港・・と同じルートに複数の交通手段があると、当然、利用者は分散してしまうわけで、下手をすれば、全て採算が合わないといったことになる・・増しては、同じルートの高速道路を複数造るなんて・・・

 これからは、二酸化炭素の排出を抑えるため、エネルギー消費を抑えていく世の中になると思います・・その時、最もよい交通手段は、やはり公共交通機関だと思います・・なぜなら、たくさんの人を一度に運べるからです。車というのは、例え電気自動車になっても人間一人を運ぶのに使うエネルギーというのはけっこう大きいのです・・ましては4人〜5人乗りの車でも一人しか乗っていないのが普通です・・
 また、アメリカとちがい、日本は人口密度が高く、公共交通機関でも十分すみずみまで交通を確保できるはずです。アメリカは広い国だから、さすがに大都市内あるいは大都市間以外は、自家用車に頼らざるをえない・・・

 しかしながら、車がとても便利であることは事実です・・といっても、常に車ばかり使うということは、そろそろ考え直さないといけないと思います・・・目的に応じて交通手段を使い分けるなどの工夫をすれば、エネルギー消費量を抑えることもできるでしょう・・
 これからは、いずれは公共交通機関の重要性は高まると思います・・それゆえ、今、採算が合わないからといって、廃止するのはどうか・・・「けん」はそう思います。廃止するのは簡単ですが、もう一度再開するにはかなりコストがかかるでしょう・・
 帰りの可部線には少ししか乗っていませんでした・・・三段峡駅を出発するとき・・ここに来るのはこれが最後かもしれない・・そんな思いがして・・・寂しく思いました・・


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