パソコン・レーシング

第10話


新たなルールによるパソコン競技は、最初に審査員が採点を行う。もちろん、そこで優秀な点数をとれば有利である。実際、耐久レースがあったこれまでの決勝でも、最初の審査員の採点が勝負を決定したこともあった。しかし、今回からは特に耐久レースの方が重要なのだ。いくつか決められた処理ユニットを決められた時間内でもっとも多くこなしたチームこそ賞賛される。もちろん、途中でシステムダウンしてはいけない・・24時間たった時点で、パソコンが正常に動いていないといけない・・まさに、パソコン・レーシングだ・・・。
前回までの大会では、予選はベンチマークや操作性を後で採点していたが、今回から、メインの耐久レースが後に待っている。また、決勝の耐久レースは48時間に大幅延長だ。

耐久レースはマシンの性能やソフトの優劣も影響するが、操作する人が処理の順序をうまく考えて、いかにマシンの性能を引き出すかにかかっている。エフマップは、この能力に長けていた。もちろん、ずっと同じ人が操作するわけにはいかない・・耐久レースに挑むに当たって、「デジタル・マジック・チーム」ではエフマップを中心に、ヤスオ、マサヒロの3人トリオで操作に挑む。ミキとサトル、ジャンクのおじさんは、サポート係である。

耐久レースは午後3時に始まった・・それから2時間がすぎた。サトルが他のチームを偵察したところ予想に反しかなりハイレベルな戦いになっているようだ。エフマップも、処理をうまく分散させながら操作し、212処理ユニットをかせいでいた、周回遅れの2位だ。ところが・・突然ブイタウンズが止まったかのように見えた・・

エフマップ「なんだ、なんだ???おかしいぞ」
ヤスオ  「ブイタウンズが止まったのか??そんなはずがない」
マサヒロ 「いや、よく見ろ!これは止まっているのではない、誰かがメール爆弾を送ってきたようだ」
エフマップ「100MBはある・・なんてことをしてくれやがる」
マサヒロ 「数分、待たないといけない・・これでは、処理ユニット件数をかせげない」
エフマップ「メールの受信が終わったら、IPを特定する」
ヤスオ  「なんで??そんなことしていたら、また時間がかかるよ」
エフマップ「やられたら、やりかえす。昔からの掟だ、ははは・・」
ヤスオ  「でも、普通に送信している間は処理が止まるよ、ますます不利だよ」

先頭は、230処理ユニットをこなしている「インテリジェント・チーム」・・200処理ユニットをこえているのはすでに5チームもあった。下手をしたらいっきに5位以下まで落ちてしまう・・・・
・・・・続く


第11話

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