パソコン・レーシング

第8話


「モノテノス様、われわれガンマ帝国当局は電脳共和国の大統領にふさわしいのはモノテノス様と考えております。モノテノス様が大統領になれるようにあらゆるお手伝いをさせていただきます。」

モノテノス「ははは、コバルト総統の方がわしのことをよく分かっておる」

(実は、国際会議で、世界中で共通して使える次世代コンピュータ規格を検討している時期でもあった・・ガンマ帝国では、5GHz動作の次世代高性能パソコン「ガンマックス」を採用するよう迫っているが、ほとんどの国は乗り気ではない・・なぜなら、ガンマ帝国は、ガンマックス一台当たり数万円というライセンス料を要求しているのである・・一方で、電脳共和国でも国立高速研究所を中心に、次世代高性能マシンの開発を進めていた・・ガンマ帝国にとって困った存在なのだ・・)

だれも知らないところで、恐ろしい計画が・・・・
平和で、コンピュータ産業で栄える電脳共和国・・・
パソコン競技に参加する者も、何も知らずに準備をいそいでいた。

ジャンク屋「エフマップ、ほぼ完成じゃの」
エフマップ「バグは、知りうる限りつぶした」
ヤスオ  「それでは、ブイタウンズ改造機と500MHzのパソコンでベンチマークをとってみよう」
マサヒロ 「500MHz機には、特に動作が軽いというフリーのブラウザを入れた。ブイタウンズはエフマップさんが作ったブラウザ・・」

ベンチマークの結果は期待通りだった。
ミキ   「すごい!!210MHzのブイタウンズの方が30%も速度が速いなんて」
サトル  「学校で習ったことと違うことが目の前で!」
エフマップ「そうだ、必ずしもハードの性能で全体の性能が決まるわけじゃない」
ジャンク屋「明日にも、競技場へ持ち込もう、予選は、あさってじゃからな」

しかし、大会運営委員会から、信じられない連絡が入った。なんと競技方法を一部変更するという。
ジャンク屋「今までは、決勝だけにあった耐久レースを予選からやるとのことだ」
ミキ   「前日になって知らせるなんて・・」
ジャンク屋「仕方ない、他のチームにも今日知らせたそうじゃ。ベンチマーク優先の大会運営に批判が集まっていて、委員会も最終判断できなかったそうだ」
エフマップ「それで、耐久レースは何時間するのか?」
ジャンク屋「予選は24時間、決勝は48時間だ、そして、各予選グループ内で3位まで決勝進出だ」
エフマップ「これは厳しい、最近は決勝でも2時間だったし・・しかし、予選は明日だ、このままの体制でいくしかない」
ヤスオ  「あわてるチームもあるだろうな・・」
ジャンク屋「あわてず、いつも通りすればいい。あわてて対策をしてもうまくいかないからな」

予選会場では準備が整ってきた。
・・・・続く


第9話

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