パソコン・レーシング

第9話


とうとう、予選当日になった。予選では決勝と違い、出場チームを十数チームごとにいくつかのグループに分けて、そのグループの中で競技が行われる。競技場も別々だ。「デジタル・マジック・チーム」は予選B組、ここには19チームがエントリーしていた。
最初に、ベンチマークなどから評価される。操作性は、審査員が10人で、すべてのチームのソフトを操作して総合的に判断して、点数を決める。その後はメインの耐久レースが待っている。
決勝では必ずあるテレビ中継は、録画での中継だった。

サトル  「テレビカメラがきてるよ」
ミキ   「でも生中継じゃないんでしょ?」
ジャンク屋「そうじゃ、いいところだけをニュースで放送してくれるだけじゃ」
ミキ   「な〜んだ、それじゃ、ミキにアイドルになりませんかって声がかからないか・・」
ジャンク屋「はははは!・・アイドルになりたかったのかい!・・ミキには無理じゃ・・はっはっは・・その前に、この競技は勝たないとな」
ミキ   「・・(おじいちゃんのいじわる)」
エフマップ「ミキさんよ、あんたならイイ線いけるかもだぞ」
ミキ   「本当?エフマップおじさん」
エフマップ「プログラムに関しては一流だ」
ミキ   「・・・・(それって話がちがう)」

ヤスオ  「直前のテストでは、問題は出ていない・・たぶん、大丈夫だ」
マサヒロ 「少しだけ、オーバークロックしてあるが・・」
ジャンク屋「なんだと!210からどれくらい上げたのか?・・あれほど、あわてるなと言ったのに」
マサヒロ 「CPUのクロックじゃなくて、マザーボードのベースクロックを上げた」
ジャンク屋「こら!直前に、なんということをしてくれる!ベースを予定より上げるなんて、一言も聞いていなかったぞ、本当に動くんだな、予選で落ちたらどうしようもないぞ」
エフマップ「さ〜、けんかは終わりだ。審査員が来た。もう、競技に入らないといけない」
ジャンク屋「まったく、こいつらは・・・(わしの若い頃にそっくりじゃが・・)」

審査員  「それでは、まずベンチマークをとらせてもらいます、OSが独自ということですが、OSに依存しない方法を使いますので、審査は厳正に行います」

次々と審査がはじまった。その間、改造型ブイタウンズは、信じられないほどのパフォーマンスを出した。また、操作性でも、高い評価のようだった。

エフマップ「これは、いいマシンだ!・・」とつぶやいた・・・
・・・・続く


第10話

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